マスターズにおいてミケルソンが悲願のメジャー初制覇した。
なんという大会であっただろう。パーマーがこの大会を引退する中、メジャー「無冠の帝王」だったフィル・ミケルソンが”ついについに”初優勝した。
ツアー22勝もメジャー47戦全敗、マスターズも5年連続トップ10以内かつ3年連続3位・・・常に優勝候補に上げられ、いつ勝ってもおかしくないと言われていた選手である。
初めてメジャー最終日最終組で廻る(意外)ミケルソンは-6でスタート。オーガスタの気まぐれなのか、ランガー、ヴィジェイ・シン、エルス、崔京周などがスコアを伸ばして猛追していく中、エルスにも抜かれ、中盤は我慢のゴルフが続いたミケルソン。
先にイーグル2つで急浮上したアーニーエルスが-8に(そのままホールアウト)対し、ミケルソンは16番の素晴らしいバーディーで並び、最終ホールバーディーで初優勝した。1998年のマークオメーラ以来の最終ホールバーディーでの優勝(史上6度目)。非常に感動的な大会となった。
昨年の覇者マイク・ウィアがマスターズ史上初めてレフティー(左利き)で優勝を飾り、今回のミケルソンがそれに続き史上初めて2年連続レフティーが続いた大会である。(ミケルソンは元々右利きなのであるが、父親に教えてもらう際に鏡を見て練習しているうちにゴルフは左利きになってしまった)
全体を通して、素晴らしいプレーの続いた大会であった。イーグルも連発、最終日16番でホールインワンも2組連続という信じられない事もあったし、3日目の「Moving Day」と言われるスコアの変動が激しい日もあり(ジャスティン・ローズがトップから急降下)、アーニーエルスの追い上げで、最終日最終ホールまでもつれた今回の大会。
そしてなにより素晴らしかったのはパトロンと呼ばれる観客達やコース整備したキーパーや大会運営者だろう。これが世界最高と呼ばれる所以だとも言ってもいいぐらい、気持がいい。見ている人たちも何に落胆するのか何を賞賛すべきかが「わかっている」と感じる。実に「マスターズ」なのである。
このマスターズでもミケルソンが初優勝を飾ったが、昨年も全てメジャー初優勝の選手であったし、一昨年の全米プロのリッチ・ビームから実にメジャー6大会連続して初優勝の選手達が優勝をしている。さらに2位のアーニ-エルス、ヴィジェイ・シンに代表されるメジャー優勝経験のある選手達・・・まさに群雄割拠の時代である。
ミケルソンがついにメジャーを獲った事で、タイガーウッズ一人の時代が本当に終ったと感じさせられる大会でもあったと言ってもいい。
長く無冠の帝王と呼ばれた「漢」がその座を返上して次に何があるのか、期待してやまない。
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