ようやくめぐって来たチャンス 川口能活への期待

ワールドカップ予選 日本代表対インド代表が行われる。
 先日のイングランド戦の稲本の骨折に続き、楢崎も怪我の経過が思わしくないとの事で、今回は正GKはノアシュランの川口選手がつとめる。
川口選手の説明は基本的に不要だろう。
当時マリノスの不動のキーパー松永選手を差し置いて正GKに。代表でも若き日本の守護神として活躍をした。海外(ポーツマス)に渡る。しかしあまり目に見えた成果は得られないまま、現在ノアシュランに在籍している。
確かに現在の日本の守護神といえば、楢崎選手だろう。しかし、川口が腐らずに、自分ができる事をきっちりとし、控えているからこそ、今の日本のGKの層がある事も忘れてはいけない(厚いとは言わないよ)。
そういった精神的なコントロールは、ある種の挫折と経験を味わった男だからこそ、持ちえるものだと思う。どの瞬間にチャンスがめぐってくるかわからない。ましてGKというポジションはそうそう変更するものではない。一度のチャンスがそのままつながる事がほとんどである。ちゃんとそれが分かっているから、今回も万全の体制で臨めるだろう。
個人的に彼のプレーは確かに諸刃の剣だが、恐れずに前へ出てくる姿勢とセンスは好きである。そして「王様」中田でさえもしっかりと「GKとして」対等に指示を送る事が出来る数少ない選手だと思っている。それは彼の人間性であり、外国でもまれてさらに強くなっただろう。しかし、そういう貴重な選手が今の日本代表には絶対に必要であるとも思う。今の代表に、中田選手に対してきちんと物を言える人間が何人いる?そして、忘れてはいけない。彼もフランスワールドカップ予選を経験している選手の一人なのである。
中田不在で確かにみんながいい動きをしているように見える。確かにそうだ。しかしそれが通用するのは1次予選までだろう。今のレベルで中田がいないといいサッカーが出来る、なんて「勘違い」しない方がいい。次の段階で絶対に通用しない「壁」がでてくるだろう。そこを崩す為に、中田選手の力が必要になってくる局面が絶対にある。中田君は絶対に必要な「ピース」の一つである(私は中田君の事を王様とは思ってない。彼は自分に出来る最大限の事をピッチ上で出しているだけである。要するに他の選手がふがいないから目立つのだ)。そのピースがハマったときに、チグハグになるようであれば、ワールドカップは難しいだろう。
中田と小野のパスの特性は全く違う。小野は相手にたった優しいパスなのに対し、中田は傲慢とも言うべき「厳しさ」を持ってパスがでる。しかし、それに反応できずに世界を、上を目指そうなんて甘すぎる考えではないか?どっちがいいというのではない。この二人の違う特性のパスをきちんと活かしきれた時、日本代表はさらに一つ高みに上れるだろう。
一喜一憂しているファンには申し訳ないが、チェコにしてもイングランドにしても、「あれ」が世界のサッカーとは考えない方がいい(もちろんそういうときもあるだろう。得点シーンの連携は確かによかった)。本当にワールドカップで対等に闘うのなら。勘違いしない方がいい。さらに「上」をめざすのなら。
閑話休題。確かに川口は日本でやっていれば、全然違った形になっているかもしれない。しかし、そこから飛び出して自分の可能性を伸ばそうと「決断」できる人間がどれだけ多いのだろう?多くの人が海外へ出たことについて失敗だったのでは?と感じているかも知れない。しかし、そうではない。
彼はまだ道半ばなのである。GKとしても、まだ若い。これからなのである。私は彼が遠回りしたとは今もって思ってない。
そして、こういう数々の経験があるからこその、今の日本代表に全くもって欠けている「魂」を宿している選手の一人だとも思っている(中田選手はもちろんもう一人、藤田選手がいる)。藤田の中盤と川口の指示・叱咤。
そういう選手が試合に出た事によって起こるかもしれないケミストリーを是非、期待したい。
今もって私は「気持ちの感じ取れない」日本代表を応援する気持ちが湧かないのである(一応観るというレベル)。だからこそ、川口選手に期待する。
川口君、ここでやらねば誰がやる?


1 Comment

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    この記事へのコメント
    僭越ながら、ワタクシも同意見です。
    イングランドはクラブレベルがヨーロッパの舞台において、近年低下する一方で、そんな状況下においても各クラブは外国人頼み・・・代表に選出される選手はクラブでくすぶっている方が多いというのが現実。
    チェコはやる気無しモードでした。
    引き分けて当たり前。むしろ勝ちきれないところが今の代表の実力(お互いにね)
    再三書いてきたけど、WC出場は当たり前だと思ってる人が多いみたいですけど、その根拠って何ですかね?
    前回は開催国シード。前々回はプレーオフまで行ってかろうじて勝っただけなのに・・・
    中田選手が訴えているコトってこのことですよね!
    Posted by ちゃび at 2004年06月09日 02:54
    ちゃびさん、どうもです。
    そう、イングランドは監督も選手も外国人頼みで、昔のように代表でおっ、って思う選手が減りました。オーウェンとかイングランド選手はプレミアじゃなく、他のリーグでもまれた方がいい。
    で、当たり前にいけると思ってる人が多いのは、日本人の気質によるものでしょう。2回もいってるんだから、っていう(笑)
    そんなのありえないんですけど。そうそう、前々回はアジア第3代表の決定戦ですから。余裕で行ったわけじゃない。でも、あの時は、何が何でも行きたい、って気概があったように思います。金で買ったワールドカップ出場といわれない為にもね。
    イングランドやチェコと戦えたという自信を持つのはいいけど、じゃあ、それ以下のレベルの相手に押された時、その自信はなくなるのかな?
    そんなかりそめの自信ならないほうがいい。がむしゃらにやった方がはるかにいい。
    中田が言ってるのはまさにそれです。
    Posted by ライヴマスター at 2004年06月10日 00:08
    はじめまして。
    いきなり僭越なコメントですが、読んでいて拍手したくなりました。
    私もフランス最終予選経験組は必要だな~と思ってます。
    日韓世代は恵まれすぎたせいか、まだまだお坊ちゃまに思えて。
    能活の海外経験が遠回りでないというのも同感!
    「この選手たちをワールドカップに行かせてあげたい!」
    と思えるような代表であって欲しいんですよね。
    Posted by kotty at 2004年06月10日 23:47
    Kottyさん、はじめまして。
    ありがとうございます。
    気持の問題はまだ解消されてなくて、コメント聞いていても口先だけだと思ってしまいます。
    すごい甘いんです、考え方が。多分、ワールドカップにいけなくなった時に、わかるんじゃないだろうか・・・。そして、予想通りのマスコミのレベルの低い記事。いいかげんにして欲しい。これで中田不要?面白すぎる。
    >「この選手たちをワールドカップに行かせてあげたい!」と思えるような代表であって欲しい
    まだ、おもえないです、正直。頑張って欲しいんですけどね。見方が厳しすぎるのかもしれないですが・・・まぁ、苦汁をなめてるときからみてますから仕方ないです。
    とまぁ、こうして、たまには(ん?たまに?)真面目に熱く語ってますので、お暇なら見てみて下さると嬉しいです。
    川口君のようなこういうのをパッと浮かんで書く時は、その先に読んでくれる人がいて、何かいい出会いがあればいいなーって多分思ってるので、一人でも多くの人ができれば読んで感想とか意見とかあれば聴きたいな、とどこかに思って書いてると自分では思います。
    そういう意味で、コメントいただいて感謝してます。
    まぁ、自分で言うのもなんですが、サッカーだけではなくこのブログ自体が
    適当にカテゴライズできないブログですので、その辺も微妙っちゃ微妙ですけど。
    では、今後もお暇なら宜しくです。
    Posted by ライヴマスター at 2004年06月11日 03:

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*


CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください