このメダルは実はすごいんです 体操種目別 2日目

体操種目別の2日目がおこなわれ、前日のあん馬鹿島選手の銅に加え、平行棒で冨田選手が銀、鉄棒で米田選手が銅を獲得しました。
これ実は凄いことです。何が凄いって、二人とも演技順がTOPなのにメダルを獲っているのです。
基本的に体操ってTOPバッターは損なのです。TOPの人間にいい点数を付けてしまうと、後の選手でいい演技をした時に付けにくくなってしまう為に審判団はその演技を「基準」として考えます。又、後半の選手になればなるほど適当(失礼)、いや基準が甘くなっていく傾向もあります。これは体操競技の伝統である為、試技順を見た時、厳しいなぁ、と思ったのが正直なところです。
その中でとったメダルなのですから価値があるのです。
もちろん、特殊な状況になってしまい、他の選手がミス連発した為に獲れた部分もありますが、彼らは自分の持っている演技をきちんとできた(細かい「ぶれ」はあったけど)ために獲った事は間違いメダルです。
精神的に強い。
だからこそ、団体で金を獲れたんでしょう。どっかのコメントに書いた記憶がありますが、私自身は種目別には期待してませんでした。団体で燃え尽きたのではないでしょうけど、私は団体で結果を残せたことこそが最大の成果であり、その後はある種の「おまけ」いやご褒美だと考えてました。
しかし、この「強さ」を持っているからこそのメダルでそれが銀だろうが、銅だろうが、ましてや前半の試技でとれる事は限りなく金に近いものだと思います。
だから、このメダルはすごいんです。
あと、鉄棒のネモフの時の中断。結果だけのニュースだと出ない可能性もあるので、書いておきますが、一旦出た点数が観客のブーイングで採点が変わるというのはありえないことです。これは審判である以上は絶対にやってはいけないこと。しかし、9.725→9.762になりました(順位は変わらず)。こういうのを見ると、ブーイングしたものが得になってしまいます。原則的に審判は何を言われようが、間違っていようが、「絶対的に揺らいだらいけない存在」のです。であれば、あなたたちは審査をする資格はありません(Videoなどを採用して判定を覆す競技(アメフトなど)は例外)。選手を冒涜する行為として恥ずべき行為だと認識をしてもらいたいですね。あなた達は汚点を残したと認識すると同時に、今後一切の審査をすることはしないで頂きたい。選手に失礼です。
その騒ぎを沈静化したのはほかならぬネモフ選手でした。やはりネモフ選手は体操界を引っ張ってきたスーパースターでしたね。彼のもういいよ、自分はこの点数だとわかってる。次のハム(ポールのほう)の演技を集中させてあげようよ、という行動はスポーツマンシップとして賞賛すべきだという事も記したいです。そして、そのハムもそんな中で集中し、メダルを獲った精神力にも感服します。
そうそう、中野選手はメダルこそ取れませんでしたが、平行棒着地のムーンサルト(世界で彼だけの持ち技。個人的に空中姿勢でのひざがあいてしまって、美しくなかったことと着地の乱れがおしかったです。)など果敢で攻めた結果ですから、これは何もいえません。それと今の体操の「採点主流」着地を決める、ということができなかったので、大技を決めてもそれで点数が下がってしまう事はわかっていたはずですから、審判に聞いてみたいというのは論外ですよ。ただ、鉄棒はネモフ騒ぎの後だっただけに、残念です。そこがポール・ハムと中野君の差なのです。4年後も彼がこの地に立って、再び決めていることを願うのみです。
いずれにせよ、心の強さを持っての結果。まさに「心技体」を体現したからこそ今大会の体操に皆さんが心を奪われたのだと私は考えます。


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