馬場俊英「君はレースの途中のランナー」

馬場俊英「君はレースの途中のランナー」
馬場俊英のニューシングル。
40歳を迎える彼の歌う歌は、等身大の自分たちへ送る大人の歌だ。
メインストリートのど真ん中にいる人だけではなく、むしろ普通に「そこ」にいる人達に向けて。
普段の、何気ないそして優しい気持ちを胸に抱けるようなそんな温かさがここにある。
それは、もしかしたら自分自身を投影しているのかもしれない。
彼のデビューは28歳と決して早い年齢ではなかった。そしてデビューしてラジオ局を含め彼の音楽が氾濫のように流れていた日々。
その割にはセールスに結びつかずうまくいかなかったあの日々(ただ、少なくても当時聞いていた私を含め、
多くの人の中に彼の歌が残ってはいた)。
インディーズに戻り、届く人の元に向けてちゃんと音楽を届けようと自分にそして目の前にいる人に向き合ったあの日々。
そしてその当時の曲「ボーイズ・オン・ザ・ラン」をコブクロがカバーしたり、ラジオでまた流れていく様を感じられたことで
ちゃんと自分の音楽が届いているんだ、と実感し、じわじわと広がりを見せていった日々。そして、メジャーへの復帰。
確実に心を捉え、着実に広がりを見せて行ったのは、彼の真摯でひたむきな姿勢だと歌を聴いて感じる。
優しげなヴォーカルの中にある「芯」。
それは幾年の年を重ね、気持ちを持ち続けて歌い続けた日々があるから結果だろう。
もしかしたら若い年代の人にはぴんとこないかもしれない。
しかし「うた」は間違いなくここに在る。
そして彼は今も歌を届ける。
この曲のタイトルのように”途中のランナー”として。
ただ、彼は一人きりで走っているのではない。
彼の音楽に触れ、途中から参加し併走してくれるランナーとともに。
一歩ずつ、一歩ずつ、前に向かって進む。決して速くはない。
それでもいいのだ。
体温に触れ、心に触れたもの同士が集まっていくもの程、強いものはない。
それを彼は知っている。
・・・それを人は「絆」と呼ぶ。
それが今もどんどん結びついていっていることを知っているから。
だから今日も彼は歌を届ける。
出来ない事など何もない。

君はレースの途中のランナー/ 小さな頃のように/働楽~ドウラク 君はレースの途中のランナー/ 小さな頃のように/働楽~ドウラク
馬場俊英 五十嵐宏治

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1 Comment

  1. 馬場俊英

    馬場俊英馬場 俊英(ばば としひで、魚座、B型)は埼玉県出身のシンガーソングライターである。略歴*1967年3月20日生まれる。*1983年~1992年バンド「サンズトレイン」名義でインディー・レーベルより2枚のアルバムをリリース。*1993年バンドを解散しソロ

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