山口小夜子さんを偲んで ~aja

モデルの山口小夜子さんがなくなった。
パリコレなどで活躍し、切れ長でエキゾチックな印象を出せる東洋のモデル、というのが確かに彼女のパブリックイメージだと想いますし、それはその通りだと思う。
私が山口小夜子さんと聞いて真っ先に思い出すのが、音楽になってしまうのだが、1977年にリリースされたスティーリーダン「aja」のジャケットである。
私の中で死んでも持って行きたい3枚+αというものがある。
キャロル・キングの「タペストリー」、ドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」、マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」
+そしてこの一枚、スティーリー・ダンの「aja」だ。
特にこのアルバムのジャケットは素晴らしい。
私は当時5歳なので詳しくないが当時のトップモデルでありリリースの年(1977年)にはニュースウイーク誌上で世界のトップモデル6人にも選ばれたこの山口小夜子を起用している。
真っ黒なジャケットの中に浮かびあがる紅白の(衣装の)絶妙なデザインと色彩、そしてここから伝わるインパクトとエネルギー。
彼女の紅白のメイクも含めて、フォトグラファーの藤井秀樹氏の芸術性の素晴らしさもあるが、一切の無駄を省いた、まさにアートの極致のようなジャケットだと思う。
このジャケットも音と共に永遠に残る芸術だと思う。
当然ながら、音も内容も素晴らしい。超一流のミュージシャンが演奏しているのだから素晴らしいのは当たり前なのであるが、もう、先に挙げた4枚はあれこれ書きたくないのだ。
というよりも思い入れがありすぎて、もはや言葉には出来ない。
とにかく聴いて、何度でも聴いて思い思いに感じて欲しい。大きな流れから細かい音まで、聴くたびに発見や驚きがあり、感動できるアルバムだ。
ミュージシャン、エンジニア、音楽業界にかかわる人は絶対に一度は聴いてほしい。いや、聴いてない人は信用できない(というのは言いすぎだが)とさえ言える程の完成度と「力」を持った4枚である。
今日はこのエバーグリーンな一枚を真夜中に聴こう。
永遠に残るこの素晴らしく美しいジャケットを傍らにおいて―
彼女を偲ぼう。

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