榎本くるみ「リアル/She」

リアル。
それはしばしば使われ易い言葉になっている。
しかしながら、本来はかなり重い言葉なのではないだろうか?
もがき苦しみながらも自分を嘘偽りなくさらけ出してゆく事、飾らずにいること。
そして、自己を見つめて「生きること」を表現してゆく事。
それこそが本当の意味での「リアル」ではないか、特に最近(昨今のニュースや
事件などをみながら)そう思う。
このシングルには榎本くるみの「リアル」がある。
いや、彼女の唄を聴いている人にとってはそんな事はすでに当たり前の事だろう。
というか、彼女の曲達はほぼ全てが彼女のリアルであり、
それを感じて考える私達のリアルでもあるからだ。
歌詞だけを見てみるとたくさんの「痛み」や「危うさ」が伴っている。
しかしそれは彼女自身だけではなく聞いている人に向けても発せられている
ような感じさえする。
そして、そこに「覚悟」と「救い」をも見出す。
だからこそ、こういうシングルで今まで聞いた事のない人に触れて感じて
ほしいと思う。
小さい体に秘められた叫びや心を、是非聞いてほしい。
例えば、「リアル」の最後の叫びはレコーディングとしてはやり直しても良いテイクである。
しかし、そんな”無粋”な事は絶対に出来ないと思う。
あれこそが「榎本くるみ」のリアルそのものなのだから。
私は1stアルバムの時に「凛として」という表現をした。
それはある意味今も変わってはいない。しかし、凛として、というのはどこかで
客観的な物事を見つめているような気がする。
1stにいた彼女はこのシングルではもっと傍に、もっと近くに
自分自身を感じている。
リアル、そのものとして。
彼女は長い旅を経て、確固たる自分を、本当に音楽しかないという覚悟と決意と
そして・・・”探してた”「唄」に出会い気づいた気がしてならない。
これを聞いた貴方は・・・何を感じるだろうか。

リアル/She リアル/She
榎本くるみ

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