コアコミュニティの存在こそが人と音楽をより繋げるのでは?

○はじめに
先週の話。興味深い話題があって議論したいと思ったけど、なんだか噛み
あわないな、と。まぁ、思いの違いというかこちらが勘違いしたみたいで、
それは他所様の庭ではなく自分の場所に書いた方がよいと感じ一度発言を消し
ました。さて、これ。たくさん書いて一応編集したので自分の発言に責任を
もつと書いたのに変質してしまってるかもしれません。やっぱり削除
しなければよかった。まぁ、そこに関してはごめんとしかいえないかな。
でも、本当にビジネス的な話ならコストや運営、実施する意味合いをもっと
考えて実現させる案として言いたいな、と私は思います。
それが本来の提案ではないかと。自分が今まで企画や提案したものはそれらが
あったから実現したわけで、その論理が当たり前だと思っていましたし。
ビジネスの話だと感じてるからKさんと私はある意味噛み付いた感じになった
のかもしれません。(あ、Kさんはそんな事ないか(苦笑)、ネタ出しを
真剣に考えすぎて、人の庭を荒らした形になってしまった事は
申し訳ないとしかいえません。ごめんなさい。
だけど、この件をもうちょっと掘り下げたいと思ったのも事実です。
そんなわけで、1週間前の事を蒸し返してるみたいで本当に恐縮なのですが、
あえて、自分自身の”落し前”として書いておきますね。
原稿じゃないので、超長くてすみません。スパッと落とす所沢山ある
のは承知してます。色々なものを織り交ぜてる感じです。
原稿とか企画とか調査とかに別の事に結構時間をとられてしまったので、
遅くなりました。では、7000文字ぐらいあるので、お暇な方はお付き合い
下さいませ。お忙しい方はスルーでお願いしますw
○付加価値などの周辺よりも、先にコアコミュニティをつくる。
「レーベルが(現状無料で展開している)一時情報とコミュニティにプレ
ミアム感を付帯させてどうやってビジネスに結びつけるのか、その為に
CDにどうやって付加価値をつけるのか。例として、CDをSNSなコミュニティ
にとらえてみる付加価値サービス。購入リスナーへの限定サービスに力を
入れようという考えで、コミュニティをつくるなんてのはどうですか?」
という件。
私は基本的にコミュニティを作る事には同意だし、賛成です。
ただ、購入者向けの施策として単発的にそれを運営するのはとても大変じゃ
ないかと思います。アルバム毎に作ったとしてその都度のコスト、継続的な
面を考えても、レーベルとしてそこに意味を持たせられるのか?という
疑問もあります。ましてビジネスとして考えたらとてもハードル高い
でしょうね。短期的なファンクラブと考え方は面白いとは思います。
でも、終わった後はどうするでしょう。放置するのでしょうか?ともすれば
一過性のもので、ある種自己満足的な役割に終わる可能性もあります。
(終了後に買った人がそれに気づいて次はリリース時に買いたくなるという
側面はあるかも)
CD購入者とはいえ、何をどこまでサービスするのか。単なるコミュニティという
「場所」を作ってその中で情報交換したり、仲良くなるのはいいと思います。
でも情報自体をプレミア化させるのは今はとても難しい時代ですね。
すぐにコピペされちゃいますからね。
運営側に金銭的にも行動的にも余裕があれば、どんどんやればよいと
思います。でも、本当にそれは限られた人だけのような気がします。
さて、唐突に結論です。
もしも、コミュニティをつくって実行するならば、CD購入者毎だけが
参加できるコミュニティが先じゃなく、アーティストの「コアコミュニティ」
といういわば集約された受け皿を先に構築した上で、CD施策としての一時的な
「ニッチコミュニティ」を形成して、コアに誘い、より結びつきを強くする
方法を採るのがいいのではないでしょうか。

それこそが本当の意味でのファンコミュニティに繋がると思います。
私的にはこの方がCD毎にやる意味合いもわかりやすくて実行しやすい
と思うのです。コアがあるから、周辺も活かされ、腐敗せず、継続的にも
繋がる。つまりはより強固なコミュニティに成長すると考えます。
コアについては無料がいいですね。フリーの中にプレミアムがある形が
よいと思います。いかがでしょうか?
○プラットホーム(土台)が必要。
まず、そのためにはシステムやプラットホームは必要でしょう。一番わかり
やすいのは公式内にコアコミュニティを設置して、その中に常時CD購入者が
入れるコミュニティを用意する方法。
今までも特設サイトなりスペシャルサイトはありました。しかし、リリースが
落ち着くと放置されている気がします。リリースごとにHPを全面的な更新をする
アーティストさんも多いですよね。このCDではリリース時にこんな特別サイトを
作ったんだというアフターフォロー的な一覧を作っているアーティストさんは
どれだけいるでしょうか。
コアなコミュニティをつくり、その中にこんな事実施したという一覧があれば、
作ったものが再度活かせるし、持ってない人はそれを見たくてCDも買ってくれる
かもしれません。コアこそがまず重要なのではないでしょうか。
それから、独自に構築するのは予算も手間も係るけれど、既存のSNS等に
コミュニティ・グループを設置して活動する方法もあります。
これが今一番簡単で展開しやすいかもしれませんね。
例えばFacbookで秘密のグループをつくり、そこにCD購入者だけが入る事の
できるコミュニティを作る事も可能だと思うのです(但しこの場合多分パス
ワードが一つになるので、CD購入した証としてのランダムパスワードを設置
しなければいけないですね)
CD自体に付加価値をという意味で購入者の証として認証する「鍵」にするの
であれば、昔CCCD回避のために行ったCD-EXTRA経由など、過去行って来た施策
を再度見直して現在に当てはめるなんてのも有効かもしれません。
短期ファンクラブやコミュニティとはまた違うかもしれませんが、過去音楽を
繋げる上でSNSを使った一手法であるアジアン・カンフー・ジェネレーションの
「マジックディスク」がありました(http://www.magicdisk.jp/)。
しかし、あれもアルバム施策の一つに過ぎず、一過性のものでしかない
イメージです。というか今そのマジックディスク自体を覚えている人
何人ぐらいいるでしょう。少しもったいない気もします。一過性なものや
単発企画としての動きはあるものの、コミュニティ化していく成功例も
まだ出てないと思います。(成功事例あったら教えて下さい)
マジックディスクもコストがかかっているだろうし、売れているアーティスト
には実現可能ですが、そこまで規模の大きくないアーティストもいるわけで
ハードルは高い。そういうコスト的な意味で汎用性のある共通プラットホーム
を作ってくれる企業の提案があれば、安価で利用でき、一般的に使え、
実現可能になると思います。
思えばこの感じは10年前ぐらいに出始めたWEBファンクラブのような状況に
似ています。WEBファンクラブもプラットホームが構築されてきて、
アーティスト側が導入しやすくなりましたからね。
ファンクラブは本当にコアに応援してくれる人達であり、プレミアムの極地
です。その中にCDを買った人間だけが見る事ができたり、一部制限付の
コミュニティを併設させてファンクラブに誘う方式もよいかもしれません。
そういうきっかけって大事ですよね。
○無料享受できたものを有料にするのは。
ではコミュニティをどうやって運営側がビジネスとして成り立たせるのか。
これは大変ですね。なんといっても、無料が基本の昨今です。音楽はタダ
であり、そのサービスも無料で提供されねばならないような風潮です。
音楽も何かしら制作費かかるんですけどね(笑
そのコミュニティでやれる事といて挙げられていた各種の施策(購入者同士
の情報交換、ライナーノーツ、インタビュー、スタッフコラム、
レコーディング風景写真、デモ音源、リミックス音源配布など)に感して
いえば、現状、公式サイトや特設サイトという形でほぼ無料で提供してます。
CD購入者が見る事ができる特別サイトも以前からありますね。
一部音源配布などに関していえば、洋楽を中心に購入者パスワードでDL可能
なものも多くなってきてるので、それは有効だと思います。但し、音源配布
だけも訴求力としては弱くなってきているだろうし、コミュニティ形成
まではいかないでしょうね。
現状、コミュニティ形成をするならば、宣伝費や制作費を充てて運営する
しかないかもしれません。ただ、コミュニティでしか買えないグッズや
LIVEを提供する事でビジネスに繋げられる可能性はあります。
既存のアーティストではなく、これからデビューする新人さんで最初から
プレミアムコミュニティとしてスタートさせるのも一計です。
デフォルトとして行っていれば、ファンはそういうものだと思うかも
しれませんし。そういったものを形成していくのは今後の音楽業界
にとって有効かもしれません。
なんにしても、単なる発案よりデメリット・手間まで具体的に掘り下げておく
提案を考えないとビジネス的に成り立たないでしょうね。
上記に述べてますがレーベルやマネージメントがを既存プロモーション+α
として業務的に運用を行うのであればそこは問題ないかもしれませんけれど。
それにしても今まで無料享受させてきたものをプレミア化する為には
それ相応の付加価値をつけなきゃいけないのですから、
頭の痛いところであるのは確かです。
○AKB商法はもう駄目なのか?
さて、CDを売る為の施策としてAKB方式を超えるものってあるでしょうか。
個人的にいえば、これを凌駕する施策はまだないと思ってます。
AKB商法は色々と批判的な事も言われますが昔からあり新しいものでは決して
ありません。手法として追求し、究極化させたものが今のAKB方式なんだと
思います。昨今ジャニーズさんですら急遽握手会を行いますものね。
それはこの手法が有効だからです。だからといって賞賛や奨励するつもりも
ありませんが、無視はできません。
最近縁あってアイドルの現場によく足を運ぶので、色々な物販をみています。
現場ではAKB方式を基にした物販で、一イベントCD500枚とか完売するような
現場もあります。色々な現場でそれに近いものを見たりします。
この勢いは凄いですよね。売れる所売れない所ありますよという指摘もある
でしょうが、それはアイドルだけでなく、アーティストだって同じなので
その論理を持ち出せば並行を辿るだけだしあまり意味ないと思います。
他方AKB本体はまだいいとしても今メジャーのアイドルでその方式を採っても、
思った程売れてない、握手会やっても人が入らないもう頭打ちだよ
という意見もあるでしょう。
ほとんどのアイドル運営の経済事情はかなり大変でしょう。赤字の所や
プラスマイナスゼロの所も多いでしょう。全体的に厳しいかと思います。
でもだからといってCDを売る為のAKB商法そのものと運営利益がプラスに
ならないのを繋げてはいけないと思います。
AKB商法が有効なのか、頭打ちなのか。これは状況や視点、規模によって
答えが異なるのでどちらが正解とは言えないでしょうね。
私は見てる限りAKB方式がCD施策としては現時点でも最強だと思うし、有効
だとも感じます。事実売れてるグループがあるし、その施策で何枚も買う
ファンも存在するわけですから(個人的にいえば複数枚買うのは良い事
だと思いますよマニアだって、聴く用、保存用と買ってたでしょ?)。
しかし、今が調子よくてもきっと一過性で、次の目ぼしい推しアイドルが
出てくれば、そちらの方へ移るかもしれません。
長く応援してもらうにはどうしたらいいのか。その先の「提案」をして
いかなければならないでしょうね。その為に既存の方法はもう駄目だと
切り捨てるのではなく、+αの融合でより独自性を見せればよいのでは
ないかと思います。そういった意味でもコアコミュティの形成は有効
ではないでしょうか。。
アイドルの場合は大きな意味でのアイドルコミュニティはありますけど、
常に浮動層もいるわけでアイドル毎のコミュニティをつくるのがベスト
でしょうね。
なお、同人音楽の方がコミケやM3などの盛り上がりからもっと売上枚数や
パイが大きいかもしれませんが、頒布は有料でもその他コミュニティとして
あくまで無料が多いですイメージです。私自身はあまり詳しくないのですが、
興味はあるので詳しい方は是非教えて下さい。
そうそう、CDを売るために、アイドルが行っている施策をアーティストに
置き換えて活かす方法は考慮すべきかもしれません。
同じ事をするのではないですよ(笑
あくまで置き換えてできるものを行う。それは努力だと思うんです。
今CDを売るための付加価値、買ってくれた人へのサービスとしては
一番わかりやすい例ですから。
なお、アイドルに詳しい方でAKB方式はもう駄目だよという方是非
教えて下さい。局地的でもいいです。勉強にもなるので
よろしくお願い致します。
○コアコミュニティの充実こそが周辺も育てる。
レーベルもしくは運営がSNS的なコミュニティを作る事には賛成です。でも、
やるならば継続的なファンコミュニティ・コアコミュニティを作ってから
でないと、単なるサービスで終わってビジネスには結びつかないと思います。
CDの付加価値をつける事はいいのだけど、そのコミュニティだけであれば、
かなりミニマムな展開にしかならないのではないかと思います。
参加者が少なくてもいいなんてのは運営側からいえば、論外です。
というかその理由で実施できるレーベルが現在あるのでしょうか?
コミュニティを作る事によって、ここでしか楽しめないものがよいですよね。
今まで特設サイトなどで実施されていたコンテンツがみられるのはもちろん、
音源、動画をコミュ内でしか視聴できないものを提供する。
この辺は基本でしょう。可能がどうかわかりませんがアプリやソフトと
連動・コラボレーションしてCD購入でポイントを溜めていく。一定ポイント
集めればプレミアム商品と交換できるとか、アプリ内での称号とか
アイテムとかエンブレムが貰えるとか収集意識と購入意識を高める
なんてのもありかもしれませんね。これはコンプガチャではないので
大丈夫です(笑。
これらのコンテンツの受け皿として「コアコミュニティ」が先に存在して、
その中にこういったたくさんの「ネタ出し」を経た企画を実施すれば、
より強固なものになり、継続的な問題も解消されるかと思います。
コアの存在こそが周辺を育てるのです。
全部を無料で提供する方法もありますよね。そこに参加する条件が
CDを買う事、またはLIVEに来てアンケートに書いてもらう事。
それを簡易ファンクラブ、コミュニティとして一見さんと区別する。
特典はHPに書くことによって、興味持った人も参加したいと思わせる。
くり返しになりますが、そこじゃないと買えないもの、LIVEにきたらプレ
ゼント貰えたり、場合によってはコミュニティに参加してる人は無料で
入場できたり、コミュニティ限定LIVEなんてのも実施してもいいかも
しれません。
例えば、今度EMIからデビューする小南泰葉さんのサイト
http://kominamiyasuha.jp/)を見てもらえばわかりますが、
「秘密結社Y人Y」というものがあります。LIVEに来てアンケートを書いて
くれたら登録されるような感じですね。過去そこに参加している人は無料で
イベント入場できるなんて企画もやってました。メジャーデビューしたら
その活動はどうなるのかわかりませんけれど、注目しています。
この例は周辺ではなく、小南泰葉という「コアコミュニティ」を形成してる
わけで、長々と述べてきた一つの例だとおもいます。
ここからどう枝葉をつけるのかはまた別の展開ですね。
○コアがあれば可能性は広がる
長々と書いてきましたけどCDをSNSに見立ててコミュニティをつくるのは
かなり局地的かなぁと思います。でも、考え方は面白いですよね。
運営やレーベルさんがそれを面白いからやりたい!と思ったら是非やって
みてください。有料施策なども実行してほしいと思います。ちゃんと注目
します!そういう事例が個々に増えて成功するならそれでよいと思います。
しかしコアコミュニティという存在が先にあれば、それらをより際立たせ、
活かすのではないかと思うのです。そっちが先じゃないかな、と。
しかも、コアがあればあえてCDに拘る必要がないのです。
CDの付加価値としてだけ考えるよりももっと大きく
「(その人の)音楽をより楽しんでもらう為の繋がりをつくる」
事こそが、CD・配信・LIVEなどそれぞれにある便利さや付加価値を
より一層輝かせるのではないかと思います。
人と音楽を繋げたいと思うのはおそらく皆同じ気持ちだと思うので、是非
協力したり、議論をして組み立てていけたらいいな、と思ってます。
それでは、長文、乱文お付き合い頂きありがとうございました。



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