元ちとせのニューシングルがいい。
いや、実のところ、デビュー当時あまり好きになれなかったアーティストだった。
あの「こぶし」が本当に私にはあわなかったし、ひっかかりがありすぎたからだ。
しかしながら、今回のシングルはとても心地よく聞こえて心に染み入る。もちろん、彼女の声をわかった上で作られたヴォーカルやサウンドプロダクトは当たり前の事
(温かみのあるウーリッツァーがまたいいですね。弾いてるのは富樫春生氏、少し意外な感じだった)。
以前とはまったく違う声。
歌を心から願って歌う想い。
そして、彼女の「今」をとても現した歌詞。
きっとそれは彼女自身の変化。
結婚、出産、そして唄から離れて以前の声ではなくなったこと
(復帰作は明らかに以前とは違うしね)。
しかし。
それはマイナスにはなっていない。今回から感じられるのは
命を授かった事からくる温かさ。
包み込むような優しさ。
「あなたがここにいてほしい」
彼女の詩曲ではないのだけど、なんて良いタイトルなんだろうね。
元ちとせの体温を感じる。初めて、私は彼女をリアリティとして感じた。
多分、だからこそ、今の元ちとせが好きだとおもえるんだろう。
ここにあるのは「島唄」を経て得られた「彼女だけの声」。
母になった事で得られた大地にしっかりと根付く「強く温かい広い心」
彼女は本当の意味での「唄うたい」になったのではないか、
そんな事をふと考えた。
9・11を前にして想ふ(文章の中心を書いたのは前です)。
「あなたがここにいてほしい」の中の一節
”あなたに聴かせてあげたいのに・・・”
”大切なものはいつだって失ったときに気付くもの”
”あなたがとなりにいてほしい”
・・・・・・ほんとだよね。
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あなたがここにいてほしい 元ちとせ ERJ 2007-08-22 |
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