藝大美術館に行く

今日は藝大美術館に金比羅宮書院の美、という事で円山応挙、伊藤若冲、岸岱を中心とした展覧会にどうしてもとせがまれて(笑)仕事として?行ってきた。
それほど、展示品はなかったのだが、それでも、応挙の虎はやはり面白い(笑
また、こういう美術館っていうのは当たり前だけど、絶対に印刷ではでない、質感とか陰影があったり、何をどう塗り足したのか、どういう風に描かれているのか、がわかるので、とても面白い。
良い意味でインスピレーションとエネルギーをもらいます。
若冲の数点、植物の絵なんだけど、ほんとこの人は葉っぱにしても、穴の開いたものとか風化していく自然のままのものを描きますね。
でも、それは時を越えてその襖が風化して色が変わった時のことまで考えられているかのごとくとても自然で調和しているような気がする。
時間を超越してもそこに存在するのだ、と感じながら書いてるかのごとく。そう感じたときにやはりこの人凄いわ、と感じずにはいられませんでした。
でも、「スキマ」にあるもの、とか構図の中の空間が本当に面白い。
きっと普通見に来てる人はそういうところ見ないのかもしれませんが、そこに何があるのか、中心になる絵を引き立てる為の空間を形作るためにどんな意図を持ってそれがあるのか(なにもないのか)などを想像するのはとても面白いです。
それはさ、音楽でも文章でも同じ事がいえます。
どっちかっていうと私はそういう部分をみてしまいます。
さて、それはさくっと終わったんだけど、そういう風に考えるとなかなか趣がありました。で、地下に別の展覧会があって、それは歌川広重の名所江戸百景のすべて、というもので、 上記の券があれば、タダで入れるとのこと。
それはいくしかなくてね(笑
行って大正解!!!!!!
東海道五十三次はみなさん良く知ってると想いますが、この名所江戸百景も超有名で、このシリーズをゴッホがぱくり・・・ではなくこのシリーズ中の有名な「大はしあたけの夕立」や「戸梅屋敷」をそのまま模写してジャポニズムとして作品が生まれたのはものすごく有名な話でもあります。。
でね、これずっと修復していたらしく、それが終わってこうして展覧してるんだけど、全118枚+1枚(二代目広重)+目録の全120枚で、目録通りに並べるのではなく、書かれた(出された)順番で並べてある、そのボリュームがですね、ものすごいんです。圧巻だし、一枚一枚真剣にみるのですが、全部で120枚ですよ、120枚。
もう集中力とエネルギーがとても要る作業(笑)と言っても過言ではありませんでした。かなりの力を使い果たしました。
私美術館行って初めて座りたい、なんて思いましたもん。
遠近感、構図(特に町並みの構図が秀逸)、第三者的な視点、極力無駄のない線と無駄な線のバランス、浮世絵の独特であるVividな色使いなのに、それが遠近感と表現を何倍にもまして訴えかけてくる。浮世絵ですから基本的には当たり前ですが、刷られたものです。いつも思うんですが、こんなに綺麗に刷られているってのがですね、いつも感動するんですよ。
これは本当に見て欲しいです。
いつも図録を買うんですが、金比羅ではなくこっち買っちゃいましたからね(笑
で、両方の展覧会で思ったこと。
大胆と繊細がどちらにも同居してるんですよ。前者は筆使い、後者は色使い。ものすごく大胆に書いているものがある中で、凄くよく見たら、ものすごく細かい事をやっている
(それは実際に見ないとわからない)。
綺麗なものだけでも駄目、大胆すぎても駄目、その巧みなバランスの上に立ったとき、感動できるんだと、改めて感じました。
それって芸術には結構大切な事ですよね。 そこには間違いなく、「血」が通っているんだと、感じさせてくれます。
すごくよかった展覧会でした。
9月9日までやってるので、興味ある人は是非。
上野だったので、みはしであんみつを食べて終了。なかなか有意義な時間でした。上野・・・そういえば、まだ上野の西郷隆盛像みたことないぞ、私。


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