CHAR「CHAR」 master’s choice 100-1(邦楽)

Master’s Choice 100(邦楽)その1はCHAR「CHAR」
これを一発目にもってくる人もいないでしょ?っていうある意味このチョイス
のあり方、立ち位置を表明しているかもしれませんね。
Charのデビューアルバム。1976年発売。
中学生の頃から、プロのミュージシャンとして活躍していた彼には当然ながら
デビューの話が来ていたが、20歳になるまでは、という想いがあったとか。
また、ここで演奏されているミュージシャンは彼がLAで探してきた人が多く、
この当時からある意味日本の枠では治まらないミュージシャンであった。
(スタッフは本当に連れて帰ってくるとは思わなかったそう)
彼の盟友でもある佐藤準(Key)、Jerry Margosian(Key)、George Mastich
(=西沢常治(B)、Robert Brill(Dr) 。なお、ここに収録されたデビューシングル
「NAVY BLUE」はシングルのメンバーだという事を本人も語っている。
「Shinin’ You SHinin Day」や「Smoky」という今でも人気のある代表曲がこの
デビューアルバムに収録されているのも既にこの頃から彼の根幹が形成されて
いる、まさに満を持して出されたアルバムであると言える。
もちろん当時のアメリカの音楽の影響だったり、英語で歌うバンドも存在した。
しかしながら、このアルバムはそれらとは根本的に違う「音」であった。
「かげろう」や「 空模様のかげんが悪くなる前に」などの日本的な曲がここに
入る事によって、洋楽もどきではない絶妙のバランスを保っている。
それはひとえにCharのプレイヤー、プロデューサー的な視点が当時の洋楽の
コピーではなく、自分の個性や感性をオリジナルに昇華させたからだろう。
捨て曲などなく、すべてが存在しえるアルバムである。
このアルバムの意義は日本のロック史上においても大きいかもしれない。
音は今の録音環境と比較すると音質的には聞きよいものではないかもしれない。
しかしながら、演奏や曲、空気感など未だに聞く度に新しいものを感じられる。
音楽は音質だけではない事がよくわかる。
この時代にこんなアルバムを作る人、こんな音を出す人、歌えて「華」がある
ギタリストは他に存在しなかったと言えるのかもしれない。
この後「気絶するほど悩ましい」で大人気となり、原田真二と世良公則と共に、
ロック御三家といわれ、アイドルのように扱われる日々、それを投げ打って
(嫌になって)芸能界に干された後、ジョニー、ルイス&チャーを結成、
1988年には自分のレーベル「江戸屋」をつくり通販など既存の流通だけではない
販路を開拓したり、メジャーに戻ってリリースした後に、現在2010年から
「Zicca」というプライベートレーベルをつくって活動している、
とまぁ、傍から見れば紆余曲折を経ていても、本人はあっけらかんとして自由に
活動しているように見えるのも本当にかっこいい。
息子のJESSE(RIZE)もやっぱり親の背中をみてきたせいなんだろうね。
そして、時代をある意味先取りしてきた男が、今時代とマッチした活動を行って
いる「嗅覚」に感銘すら受ける。
既存の枠に収まらない、はまらない。
やりたい事をどんどん実現させていく。
その原点が、このアルバム。
まだ、聞いた事ない人がいたら、ぜひ聞いてほしい。

Char Char
Char

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個人的には約20年近く前に今は無きTOWER RECORDS心斎橋でジャケットに青色のペンでサインを貰った事を今でも忘れません。もちろん家宝です。


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